RD20はカーボンニュートラルの実現に向けて、世界最先端の技術開発を行うG20各国・地域の主要な研究機関による国際的な研究開発の枠組みです。
RD20メンバー機関の紹介などの記事を毎月1回お届けします。第一回はフランスの研究機関CNRSをご紹介します。
CNRS(フランス国立科学研究センター)は、フランス最大の公的研究機関で、多分野、また、学際的な研究をしています。研究所として、気候変動、教育格差、人工知能、健康と環境、未来の領域、エネルギー転換という6つの課題を設定し、それぞれの分野で研究開発を行っています。
CNRS WEB https://www.cnrs.fr/en
CNRS は、再生可能エネルギーから、モビリティ用バッテリー、産業、モビリティ、定置用途向け水素まで、エネルギー転換のバリューチェーン全体に関する研究活動を行っています。CNRS は、エネルギーを扱う他のフランスの国立研究機関 (CEA、IFPEN など) や産業界 (共同研究室など) と密接に連携しています。
また、フランス国内だけでなく、多くの国とも緊密な国際連携をすすめています。現在、シンガポール (SINERGIE/NTU)、オーストラリア (CSIRO とFACES、FACET、H2)、日本 (国際研究センター/東京大学と共同設置)、韓国 (KENTECH)、インド (CSIR と 共同開催のワークショップINFINITE) など、多くの国と共同で研究プログラムが進行中です。
CNRSのエネルギー転換タスクフォースは、RD20アクションコミッティーメンバーでもあるDr. Abdelilah SLAOUIがコーディネートしています。また、2021年からは、CEAのHélène Burletとともに、フランスが推進するグリーン水素に関する研究プログラム(PEPR-H2; https://www.pepr-hydrogen.com/)のCNRSのサイエンスディレクターも務めています。
CNRS エネルギー(転換)部門 https://celluleenergie.cnrs.fr/programmes-energie/
これまでのRD20の国際会議では、リーダーズセッションに加え、テクニカルセッションでも、CNRSからLCA、カーボンマネジメントなどのテーマで講演いただきました。
リーダーズセッション
CNRSのクリーンエネルギー技術の研究開発
Dr. Abdelilah Slaoui CNRS-Paris, France
テーマ: 水素のライフサイクルアセスメント・技術経済性分析
Dr. Myriam Merad CNRS-Paris Dauphine, France
テーマ Carbon Management
Dr. Valérie Keller CNRS/University of Strasbourg, France
テーマ LCA and environmental impacts on large-scale deployment of PV
Prof. Myriam Merad CNRS Paris-Dauphine, France
また、クリーンエネルギー分野の若手研究者の交流育成プログラム「サマースクール」第一回が昨年開催され、同じフランスCEA(原子力・代替エネルギー庁)と共にCNRSがホストを務めました。
RD 20 サマースクール https://rd20.aist.go.jp/ja/actions/summerschool/
CEA https://www.cea.fr/