太陽光発電デバイスの先進的評価技術の標準化タスクフォース(PVタスクフォース)の目的は、国際的に整合性のとれた太陽光発電(Photovoltaic: PV)性能評価技術の確立を通して、太陽光発電の更なる導入拡大に向けた新規太陽光発電デバイスの開発に資することである。性能評価技術の確立は、太陽光関連技術の信頼性の評価向上や社会実装に不可欠である。
リーダー:吉田 正裕博士(産総研)、Harald Müllejans博士(EC-JRC)
メンバー機関:
欧州委員会 共同研究センター 欧州太陽光発電試験施設(JRC-ESTI、EU)
フラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所(Fraunhofer ISE、ドイツ)
産業技術総合研究所(産総研、日本)
ロッキーズ国立研究所(NLR、米国)
発足:2021年(第2回RD20国際会議のリーダーズサマリーを受け、2021年5月にRD20メンバー機関に対してタスクフォース提案の提出が呼びかけられた。提出された提案は、第3回RD20国際会議に先立ち開催されたタスクフォース・セッションで発表され、タスクフォース委員会による審査を経て、PVタスクフォースが正式に活動を開始した。)
現在の状況:活動中
上記の目的達成のために、PVタスクフォースは、国際的に整合性のとれたPV性能評価技術を確立し、その知見を世界のPVコミュニティに広めることを目指している。
PVタスクフォースの活動は、以下の2つの階層(Tier)で構成されている。
Tier 1 — 先進的な性能評価技術
Tier 2 — キャパシティビルディング(能力開発)
Tier 1:先進的な性能評価技術
Tier 1の目標は、次のとおりである。
(a) 高精度で先進的なPV性能評価技術を確立すること。
(b)太陽電池セル・モジュールに特に焦点を当て、高効率な次世代PVデバイスの性能評価技術について、研究機関間における適合性と整合性を実現すること。
Tier 2:キャパシティビルディング(能力開発)
Tier 2の目標は、世界のPVコミュニティの研究機関に対して、PV性能評価技術の支援と人材育成の支援を行うことである。
技術面に重点を置くTier 1では、先進的なPV性能評価技術の確立に向けて、研究機関による3回の比較測定(Interlaboratory comparison)を実施・検討している。
第1回目は、高い変換効率の実現が期待される多接合PVデバイスを対象に、メンバー4機関による比較測定を実施し、PV性能評価の整合性を確認する。
第2回目は、より先進的な多接合PVデバイスを対象とする予定である。
第3回目は、太陽電池の世界市場の主要セグメントである新型結晶シリコンPVモジュールを対象とすることを検討している。
Tier 2においては、PV性能評価技術の社会実装および人材育成支援を目的として、PVコミュニティの研究機関に対して、PV性能評価技術に関する技術研修の提供を検討している。
Tier 1:先進的な性能評価技術
第1回目( Ⅲ-Ⅴ族多接合PVセル):メンバー4機関において、PV性能評価結果の整合性を確認するための測定を完了した。得られた比較測定結果は、査読付き論文または国際会議での発表を目標に、現在その解析と考察を進めている。
第2回目以降の比較測定:次に取り組むべき比較測定についての議論を継続している。より先進的な III-V族多接合PVデバイス、III-V/Si、III-V/CIGS、ペロブスカイト/Siデバイスなどを候補として検討を進めている。並行して、第3回目では、市場導入が進む主要な高効率結晶シリコンPVモジュール(例えば、 PERC、SHJ、TOPCon 等)を検討している。
Tier 2:キャパシティビルディング(能力開発)
PVコミュニティへの性能評価技術の普及活動の一つとして、本タスクフォースは「PVMET Wiki」※に技術情報を提供するなどの協力を行っている。
※「EMPIR MetroPV」プロジェクト(ドイツ連邦物理工学研究所(PTB)が主導)の枠組みで開発・保守されているPV計量・計測技術の知識基盤。
「PVMET Wiki」ウェブサイト: https://wiki.pvmet.org/index.php?title=Main_Page
また、人材育成の更なる推進として、ウェビナー、動画配信による学習リソース、現場実習などの準備・検討も進めている。