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第2回RD20国際会議へのメッセージ
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梶山弘志 経済産業大臣

皆様こんにちはそしておはようございます。 こんばんは。経済産業大臣の梶山弘志です。 今回、第2回のRD20開催にあたり研究機関トップの皆様とお会いできることを楽しみにしておりました。 しかし、新型コロナウイルスの影響で皆様を東京にお招きすることがかなわず大変残念に感じております。 オンライン開催となった本年のRD20の開会にあたり時差の中参加いただいた各国の皆様に歓迎の意を表するとともに主催者の産業技術総合研究所をはじめ関係者の尽力に感謝いたします。我々は足元の新型コロナウイルスを克服し経済を回復させるという重要な課題に直面しています。また中長期的には気候変動問題にも立ち向かわなければなりません。状況は複雑で困難なものであります。 しかし、私はこれを日本の経済社会を再構築するための好機と捉えています。気候変動問題について日本は取り組みを加速し世界の脱炭素化という究極の目標に向かってリーダーシップを発揮します。具体的には革新的技術の開発により産業革命以来増加を続けてきたCO2をゼロエミッションを超え減少に転じさせるビヨンドゼロを目指します。またこのイノベーションを新たな成長の源とし環境と成長の好循環を追求します。 このビヨンドゼロの実現には技術の研究開発、実証のみならず製品の形で技術の社会利用を促していくことが必要です。例えばCO2を分離回収する技術とCO2由来のコンクリート製品を製造する技術はそれぞれすでに実現されています。これらの技術をどのように組み合わせ市場を作っていくかが社会実装に向けた鍵になると考えます。同時に世界の潮流を捉え、また日本の取り組みを世界に発信するなど人々の問題意識を高めていくことも重要です。 今年は10月7日からの一週間を東京ビヨンドゼロウィークとしエネルギー環境分野の世界のリーダーによる議論を深めます。 具体的には6つの会議を集中して開催する予定です。 本日のRD20の他、ビヨンドゼロの実現に向けた中長期的取り組みを議論するICEF。 イノベーションの実現以降を支える資金動員について議論するTCFDサミット。 さらに水素社会の構築、カーボンリサイクル、LNGの脱炭素化といった個別の挑戦課題について議論を行う水素閣僚会議、カーボンリサイクル産学官国際会議、LNG産消会議を開催します。 本日皆様に参加いただくRD20は最先端の研究開発を取り扱う主要20カ国、12万人の研究者を擁する研究機関のリーダーによる会合です。まさに世界の英知そのものでありますが、それらがさらに連携することで一層のイノベーションが促進されると信じております。先日、産総研ゼロエミッション国際共同センターのセンター長でノーベル賞を受賞された吉野先生と意見交換の機会がありました。その際に先生からはサスティナブルな世界の実現に向け要素技術がそろいつつある。 環境やエネルギーに関する技術とAIや5G、IoTといった横ぐし技術とを組み合わせていくことが重要。 1万人に1人が思いつくような優れた研究アイディアを掛け合わせることで世界のトップレベルの貴重なアイディアが生まれるという力強いお話をいただきました。 地球環境問題というグローバルな課題の解決に向け貴重なアイディアを生み出し続けることが重要です。 世界の優れた研究者が知恵を出し合える環境整備に向けリーダーの皆様のネットワークと研究者間のネットワークがこのRD20の活動を通じて強化されることを期待いたします。

三谷英弘 文部科学大臣政務官

このたび、世界を代表する研究機関のトップリーダーたちがクリーンエネルギーについて議論するRD20が開催されることを、共催官庁である文部科学省として大変嬉しく思います。 世界ではコロナ危機からの経済復興にあたり、気候変動対策をさらに推し進める「グリーン・リカバリー」の考え方が広まりつつあり、その議論の土台となる科学的知見の充実の重要性がますます高まっています。感染症対策や気候変動対策を含めた、持続可能な社会の実現に向けて、科学の力が最大限発揮されるよう、各研究機関の連携が一層進んでいくことを期待いたします。

宮崎勝 環境大臣政務官

第2回RD20の開催に際し、御挨拶申し上げます。 RD20は、昨年6月の「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」を通じ日本のイニシアチブとして創設されております。 新型コロナウイルス感染症により世界経済が大きな打撃を受ける中で、我が国が今年9月にオンラインで主催した、新型コロナウイルスからの復興と気候変動・環境対策に関する「オンライン・プラットフォーム」閣僚会合においては、ゼロエミッション技術を含む革新的技術イノベーションと生活様式の大きな変化を、経済社会のリデザイン(再設計)を進めていくために必要な要素として議論しています。 議論の中で日本が強調したのは、石炭火力輸出方針の抜本的転換、ゼロカーボンシティなど、脱炭素に向けた取組です。 水素社会の実現、浮体式洋上風力発電、CCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)、セルロースナノファイバー(CNF)と窒化ガリウム(GaN)などが日本の革新的イノベーションの具体例として挙げられるほか、コロナ禍への直接的な対応として、情報通信量の増加に対応したゼロエミッション・データセンターの実現や物流分野のEV化なども進めていきます。 世界経済の力強い復興に向け、このRD20を通じて、イノベーションを産み出していくサイクルが広がっていくことを期待しています。

RD20 議長(産業技術総合研究所 理事長)石村和彦

私たちとともに進歩してきた科学技術は、数えきれない「豊かさ」を生み出しました。近年ではAI、IoT、5Gといった情報分野での飛躍的な発展が見られます。これらは社会基盤と融合し、その高度化を強力に押し進めています。一方で、科学技術は地球温暖化などの環境問題も引き起こしました。大規模で複雑化したこれらの問題の解決には、国際的・学際的な協力が不可欠です。 このような中で、「RD20:Research and Development 20 for clean energy technologies」は、クリーンエネルギー技術に関するG20各研究機関の連携を目的として、2019年にスタートしました。2020年はCOVID-19感染拡大防止のためオンライン開催となりますが、ウィズ/アフターコロナでの持続可能な復興を達成すべく、前回以上にクリーンエネルギーへの期待と開催の機運が高まっています。 今回は、リチウムイオン二次電池の開発により環境問題解決の可能性を切り拓き、2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野 彰 研究センター長(国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)ゼロエミッション国際共同研究センター)が登壇します。また、各機関の意見をまとめたリーダーズサマリーを発表します。同時期に開催されるICEF、TCFDサミット等とともに、RD20が契機となり、環境問題解決に向けた国際連携がさらに進展することを期待します。 結びとして、本会議に参加いただいた G20各国の研究機関代表の方々、講演者の方々、そしてご協力いただいたG20各国政府に、心より感謝を申し上げます。