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    リーダーズサマリー(仮訳)

    第2回RD20会議 2020年 9月29 日 -10月 9 日, 東京

    1)はじめに

    脱炭素社会の実現は、気候変動やその他のエネルギーの利用による環境負荷の緩和のため、全ての国で共有される喫緊かつ挑戦的な課題である。そのためには、クリーンエネルギー技術の開発の加速化が必須となる。

    様々なクリーンエネルギー技術の開発と普及のためには、多くの課題に対する国際協力を通じた取組が必須である。

    RD20は、脱炭素社会の実現を促進するためのクリーンエネルギー技術に焦点を当て、G20各国の主要な研究機関間の国際共同研究の機運を高めることを目的とした国際会議である。

    第2回RD20は、COVID-19の影響により、オンライン形式で、9月29日から10月9日まで、技術セッションとリーダーズセッションの2部で開催された。日本が開催する6つの先駆的な国際会議からなる東京ビヨンド・ゼロ・ウィークの一つである。

    本文書の目的は、第2回RD20の各セッションにおける研究機関のリーダーやトップの専門家による講演及び議論を要約し、リーダー等により共有された様々な意見を示すことである。

    2)技術セッション

    技術セッションでは以下の4分野について個別に議論された。

    議論の概要は以下の i)~iv)のとおりである。

    i)再生可能エネルギー

    本セッションでは、脱炭素社会実現のための太陽光発電(PV)の更なる普及拡大のための世界的及び長期的な課題について検討した。具体的には、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)による再生可能エネルギーの長期シナリオ、基礎科学から商業化に至るペロブスカイト太陽電池技術のめざましい進展、PVの技術と産業の一層の発展のための国際エネルギー機関(IEA)及び国際電気技術委員会(IEC)における国際フレームワークの役割と重要性が議論された。

    ii)電池を用いた次世代エネルギーマネジメントシステム

    本セッションでは、エネルギー貯蔵と電池に関する幅広い技術的課題について取り上げた。具体的には、材料、リサイクル、エネルギー統合システムに関する基礎研究である。吉野博士は、2019年のノーベル賞受賞講演に基づき、次世代エネルギーシステムにおけるリチウムイオン電池の将来の展望を示した。技術的な課題として、長期耐久性、リサイクルを含むライフサイクル管理が議論された。材料の基礎研究とその分析に関する国際協力の重要性が共有された。

    iii)水素

    水素は、脱炭素化の世界的合意と水素利用の実用化により近年注目を浴びている。再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー(ライフサイクルを通じて炭素排出が低いエネルギー)から製造された水素が、脱炭素化に向けた長期シナリオにおいて方向性を決定する重要な因子である。本セッションでは、国又は地域による多様な戦略と対策が紹介された(例 EU及びドイツの水素技術展開戦略)。技術的内容としては、固体酸化物電解セル(SOEC)を使用した高効率電解や、エネルギーキャリアやグリーンケミストリーへの中間的ステップとしての水素を利用したPower to X戦略が議論された。

    iv)二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)

    炭素リサイクル技術を含むCCUSは、従来のエネルギーインフラとの適合性及び気候変動緩和への直接の寄与という利点がある。セッションでは技術の選択肢、進展、課題について議論された。バイオマスCCS(BECCS)を利用したネガティブエミッション(注)の可能性についても議論された。他に、メタン化や、メタノール、エタノール、炭化水素など他の燃料の合成も議論に上った。関連技術の統合とCCUSによる生産物のバリューチェーンの実現のために国際協力は不可欠であると認識された。

    注:二酸化炭素の排出量が負、すなわち二酸化炭素を吸収すること。

    技術セッションの詳細は、「Now & Future 2020」において報告する予定である。

    3)リーダーズセッション

    本セッションでは、国際協力を通じたクリーンエネルギー技術の科学的及び技術的課題の解決方法について考えが共有され、議論された。

    技術セッションにおける議論に基づいて、基礎科学に関する共同研究の促進、標準化活動などの知的基盤整備及び優れた若手研究者への機会提供を含む人材育成によって実現される国際協力の重要性が認識された。

    政府の様々なイニシアティブを踏まえた上で、国際協力を増進するための機関間の関係を強化するコミュニケーションを継続することが合意された。

    また、クリーンエネルギー技術の更なる開発と社会実装には、学・産・官の協力が極めて重要であることが共有された。

    4)行動計画と展望

    RD20は、国際共同研究プラットフォーム構築のための革新的で野心的な機会となることを目指すとともに、このイニシアチブが環境、エネルギー、持続的な発展の可能性に関連する世界的な課題の解決に向けた顕著な進展をもたらすことを意図している。

    行動計画を策定するために、RD20を主催するAISTは、参加研究機関から提出された要旨を集約し、「Now & Future 2020」としてまとめる。これはRD20の枠組みにおける国際協力を検討するために活用される予定である。

    クリーンエネルギー技術は複数分野にわたり非常に多様化しており、各国の国家戦略の影響を強く受ける。そのため、国際的に取り組む研究課題を、脱炭素化にむけて建設的で相補的な共通の関心となる内容に収束させるには、俯瞰的視野や全体的なアプローチが重要である。

    この会合で得られた情報を基に、共通の関心を持つ各国の研究機関が、対話を継続し、協力の構築もしくは既存の連携の強化を図り討議を一層進めることで、ひいては地球全体の利益につながることを期待している。

    5)結言

    実りある成果を得るため、各国研究機関には、 RD20への積極的な参加を望んでいる。さらに、本会議において、クリーンエネルギー技術は、コスト削減、性能及び長期信頼性の向上、変動する再生可能エネルギー源の統合化支援を通じてコロナ渦からの回復に貢献する重要な役割を担うことを改めて認識した。

    6)謝辞

    参加者の全ての貴重な貢献、AISTのリーダーシップ、とりわけ運営者としてのGZRの尽力、そして、日本政府の継続的な支援に感謝する。

    アブストラクト集「Now & Future 2020」

    「Now & Future 2020」
    (英語: 14.3MB)

    開催概要

    「Now & Future 2020」別冊
    (英語: 14.3MB)

    開催概要

    「Now & Future 2020」
    (概要版(日本語): 1.8MB)

    開催概要